小説

四月になれば彼女は 著:川村元気 感想 名言

『四月になれば彼女は』著:川村元気

『世界から猫が消えたなら』に続き川村元気さんの小説を読むのは2冊目です。

川村元気さんは人の心を動かすのが本当にうまいと思います。人を愛することの難しさ、相手のことを分かってあげる難しさ。何年も一緒にいる恋人でも別れた後、相手のことを全然知らなかった。なんてことよくあるように思えます。

主人公の藤代は大学時代写真部に入部してます。そこで新入生である伊与田春と恋に落ちるところから物語が始まります。

写真部の恋愛ってロマンティックで青春を感じます。いつか自分も写真家をテーマに小説を書いてみたいという気になります。

個人的に好きな一説

恋は風邪と似ている。風邪のウイルスはいつの間にか体を冒し、気がついたら発熱している。だがときが経つにつれ、その熱は失われていく。熱があったことが嘘のように思える日がやってくる。

恋は咄嗟におこるという意味だけではなくて、急に冷めてそれが時間とともに忘れていくというのを比喩した表現です。忘れていくことの儚さを感じます。これから風邪をひくたびにこのフレーズを思い出したいです。

人間ってのは本当に怖いですよ。憎んでいる人より、そばにいて愛してくれる人を容赦なく傷つけるんだから。

藤代の男友達のタスクのセリフです。自分もそばにいてくれる人を何度も傷つけたなと思い返します。好きだからこそ傷つけてしまうのでしょうけどそれは本当の愛ではない気がしますね。これから自分も気を付けなければと思う心に残る良いセリフです。

人は誰のことも愛せないと気づいたとき、孤独になるんだと思う。それって自分を愛していないってことだから。

これもタスクのセリフですね。タスクはいいセリフが多いです。人を愛するにはまず自分からとよく聞きますがまさにそのことですね。逆に言えば人を愛することができる人は孤独ではないということだと思います。今孤独を感じている人はまず自分から愛してみるのがよいかもしれません!

読んでいて村上春樹さんの海辺のカフカ感を少し感じました。家出したところあたりかな?

解説であさのあつこさんが記述つしていた川村元気さんの小説を読むたびに、居心地が悪くなり、読み終わると現実に戻るためにしばらく時間を費やす。というのがとても気持ちが分かります。

読んだ後の余韻と虚無感が押し寄せてきてしばらく現実に戻ってこれない感じが『世界から猫が消えたなら』と同じくこの小説を読み終わった後にも起こります。

是非気になった方はこの本を手に取って読んでみてください!!

https://www.amazon.co.jp/四月になれば彼女は-川村-元気/dp/4163905537